福岡地方裁判所小倉支部 昭和40年(ワ)419号 判決 1966年10月11日
主文
被告は、原告に対し、別紙物件目録(二)記載の家屋を収去し、別紙物件目録(一)記載の土地のうち右家屋敷地部分を明渡せ。
訴訟費用は被告の負担とする。
事実
原告訴訟代理人は、主文同旨の判決ならびに仮執行の宣言を求めその請求原因として、
一、原告は、別紙物件目録(一)記載の土地(以下本件土地という)を所有している。
二、被告は、本件土地上に別紙物件目録(二)記載の家屋(以下本件家屋という)を所有し、本件土地のうち本件家屋の敷地部分を占有している。
三、よつて、原告は、被告に対し、本件家屋を収去し、本件土地のうち本件家屋敷地部分の明渡しを求める。
と述べ、被告主張の事実中、本件家屋をもと訴外清水実が所有していたことは認めるが、その余の事実は全部否認すると述べた。
被告訴訟代理人は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決ならびに担保を条件とする仮執行免脱の宣言を求め、つぎのとおり述べた。
一、請求原因第一項の事実および第二項中被告がもと本件家屋を所有し本件土地のうち本件家屋の敷地約三〇坪(九九、一七平方メートル)を占有していたことは認めるが、その余の事実は否認する。被告は、昭和四〇年五月一〇日、本件家屋を被告の妻である訴外浅利キクエに贈与した。
二、訴外清水実は、昭和一九年一〇月頃、原告より本件土地のうち約三〇坪(九九、一七平方メートル)を建物所有の目的で賃借し、同地上に本件家屋を建築しこれを所有していた。その後、昭和三四年一一月末、右清水は、被告に対する借入金債務約四〇万円の代物弁済として、本件家屋を被告に譲渡し、その頃、被告は、原告より、本件土地のうち右清水の賃借していた部分を、本件建物所有を目的とし、賃料は一箇月一、五〇〇円との約で賃借した。
証拠(省略)
別紙
物件目録
(一) 北九州市小倉区白銀町四番地
一宅地 一八九坪二合七勺(六二五・六八平方メートル)
(二) 北九州市小倉区大字三萩野字庄代八一九番地
家屋番号 八一九番
一木造瓦葺二階建居宅
一階 一九坪三合五勺 (六三・九六平方メートル)
二階 一三坪 (四二・九七平方メートル)